どうせ光熱費で使うなら、ガスと電気、同じ量を使って安いのはどっちだろう?
そんな風に考えたことはありませんか?
しかし、最近はオール電化や電力の自由化によって、何を選べば良いかわかりにくいですよね。そこで今回は「ガスと電気はどっちを使う方が安いのか?」ということをテーマに
①ガスと電気の料金の決まり方
②ガス製品と電気製品の料金比較
③あなたにはガスと電気どちらが向いているのか

Contents
ガスと電気どっちを使う方がお得?「オール電化」と「ガスと電気の併用」を比較!
まずは、結論から先に申し上げます!
オール電化の電気代とガス代を比較すると、家族が4人以上の場合はオール電化の方が安く、2人までならガスと電気の併用の方が安いです。
ここで、次の表をご覧ください。
オール電化の光熱費
人数 | ガス代 | 電気代 | 光熱費 |
1人暮らし | 0円 | 10,751円 | 10,751円 |
2人暮らし | 0円 | 12,904円 | 12,904円 |
3人暮らし | 0円 | 14,454円 | 14,454円 |
4人暮らし | 0円 | 14,914円 | 14,914円 |
※基本料金込み
ガスと電気の併用の光熱費(都市ガス)
人数 | ガス代 | 電気代 | 光熱費 |
1人暮らし | 2,320円 | 5,230円 | 7,550円 |
2人暮らし | 3,866円 | 9,559円 | 13,425円 |
3人暮らし | 4,692円 | 10,144円 | 14,836円 |
4人暮らし | 4,995円 | 11,843円 | 16,838円 |
※基本料金込み
こうしてみると、3人家族の場合はオール電化にすべきかガスと電気の併用をすべきか悩むところ。
では次にプロパンガスの表と比較してみましょう。
ガスと電気の併用の光熱費(LPガス)
人数 | ガス代 | 電気代 | 光熱費 |
1人暮らし | 4,094円 | 5,230円 | 9,324円 |
2人暮らし | 8,593円 | 9,559円 | 18,152円 |
3人暮らし | 7,311円 | 10,144円 | 17,455円 |
4人暮らし | 8,734円 | 11,843円 | 20,577円 |
※基本料金込み
都市ガスと比較して、プロパンガスはガス代が2倍も高いことがわかります。
しかも、4人以上の家族で、ガスがプロパンガス(LPガス)しか使えない場合は、オール電化の方が月に5,000円以上お得になります。
次の章では、環境面や使う器具の違いで、ガスと電気のどちらが向いているのかを解説します。
電気とガスの選択は時間と地域で決めるべし!
そもそも電気代とガス代の料金はどのようにして決まるのかでしょうか?
それはズバリ「ガスは地域と時間帯・電気は時間帯」で決まります。
それでは実際に電気とガスの特徴を見ていきましょう。
電気の料金の決まり方
電気はライフラインの中で、最も使うエネルギーであり、一人暮らしの方でも使いやすいエネルギーです。
しかし電気は、使用する時間と電化製品に強い影響を受けます。
・電気代が高くなる時間帯は8時〜17時
・電気代が安くなる時間帯は17時〜翌朝8時
この料金差は、電気代が安い17時〜翌朝8時の電気代を昼間の電気代と比較すると約2倍になることがあります。
この料金基準は電力会社によって異なりますが、例えば電力会社Aのプラン内容では
8時〜22時の時間帯 | 80キロワット | 80キロワット〜200キロワット |
料金 | 毎時25円 | 毎時34円 |
22時〜8時の時間帯 | キロワット関係なし | キロワット関係なし |
料金 | 毎時12円 | 毎時12円 |
というように、電気代は時間によって大きく変化します。
電気のメリットとデメリット
電気のメリットは安全性です。IHクッキングヒーターは触れても火傷しませんし、ガスのように爆発を起こす恐れもありません。
また、電気を使った温水器のエコキュートでは、深夜の安い電気代の時間を使って作られたお湯を利用することができるため、安い料金で電気を使うことができます。加えて、太陽光発電をしているお家では自家発電でさらに電気が安くなりますね。
電気料金を節約することは、光熱費を節約する最も簡単な方法と言えます。
電気のデメリットは2つ。停電時と初期投資です。
電気のみで動いている製品は、停電してしまうと電気製品が一切使うことができなくなります。
そして、初期投資が高いのも電気製品の欠点です。また、電気給湯器のお湯は、衛生的にそのまま飲むことができない点などが挙げられます。
ガスの料金の決まり方
ガス代は電気のように時間による料金の制約はありませんが、地域とガス会社に大きく料金が左右されてしまいます。
ガス代が高い地域とは?
ガスが高い地域というのは、都市ガスが使えないエリアになります。
一般的に都市ガスが使えない場所ではプロパンガスが使われますが、都市ガスを使うかプロパンガスを使うかで大きくガス料金に差が生まれてくるのです。
では実際に、都市ガスとプロパンガスでは料金にどれくらいの差が生まれるのか?
以下の表をご覧ください。
・都市ガス代 | 1キロワット使用する場合の一時間のコスト(1kWh) | 約29円 |
・LPガス代 | 1キロワット使用する場合の一時間のコスト(1kWh) | 約50円 |
※この1kWh(キロワットアワー)は1キロワットのガスを一時間使った際の単位です
計算式は【コンロのキロワット数×1キロワットのコスト×時間】で計算します。
標準のコンロの消費電力は2,79キロワットほど。
それを1時間使った場合【2,79×29×1】ということで、都市ガスのガス代は1時間約80円になります。
しかし、プロパンガスの料金は都市ガスの1,7倍、1時間では約136円になり、プロパンガスと都市ガスでは1ヶ月で1680円の差が生まれます。
ガスのメリットとデメリット
ガスのメリットは何と言っても都市ガスの安い料金にあると言えるでしょう。
また、プロパンガスのメリットは災害の時でも利用できるライフラインの強さにあると言えます。
実際にプロパンガスのおかげで、震災ときなど、様々なライフラインが断たれた中でもプロパンガスだけは使うことができました。
ただガスにもデメリットがあり、都市ガスは地域によって使えないため、利用価格にバラツキが出ます。プロパンガスはその利用料金の高さがデメリットです。
地域によっては、都市ガスと比較してプロパンガスは最大で3倍もガス料金が高くなるため、全てのガスが安い料金で使えるわけではありません。
供給会社によって変わるガスと電気の料金
今では、電力会社もガス会社も両方のエネルギーを供給できるようになっています。
しかし、地域によっては使える電力とガス会社が決まってしまうことが多いので、ガスと電気の料金の節約は、使う量で調節するしかありません。
そんななか、電力やガスの自由化が進んでいるので、比較的安いとされている電力やガス会社を上手に選んで節約していくことが大切です。
ガス製品と電気製品はどっちが安い?光熱費が安いのはガスという事実
それではここで、電気製品とガス製品ではどちらが家庭のエネルギーとして安く使えるのかを比較してみましょう。
電気ケトル VS ガスとヤカン
電気ケトル とガスを使って水を沸かすヤカンとでは、どちらの方が早いのでしょうか?
結論はガスとヤカンです。ガスの火力にもよりますが、直接火でヤカンで沸かすとなると水が熱湯に変わる時間は約半分でした。
それでは、光熱費で比較した場合はどうなるのでしょうか?
光熱費で比較した場合もガスとヤカンの方が安くなりました。電気ケトルの場合一回に1リットルの水を沸かすのにかかる金額は3.38円。ヤカンの容量にもよりますが、電気ケトルと同じ1リットルの量の水を沸かすと2.22円になり、光熱費も早さも、ガスとヤカンを使う方がお得になることがわかりました。
エアコン VS ガスストーブ
ガスストーブの一時間の使用料金は11.6円で、エアコンの場合は14.3円になっているため料金の差は一目瞭然です。しかし、ガスストーブとエアコンは温める範囲や温度も違うので、無理にガスストーブにすることには注意が必要です。
都市ガスがない場所はどうしたらいいの?
それでは都市ガスがない地域はどうやってガス料金を節約すればいいのでしょうか?
実は、電気は2016年に自由化、都市ガスは2017年から自由化(プロパンガスは元から自由化)しています。つまり、安い電力会社、安いガス供給会社を自分で選ぶことができるのです。
ガスを使うにも電気を使うにも、各供給会社の料金をしっかり確認して決めることが月々の光熱費の節約につながります。
安いプロパンガス会社を選ぶには?
プロパンガスは会社によって価格が異なり、プロパンガス料金を安くしたい場合は安いプロパンガス会社を個別に契約することが必要です。
地域の安いガス会社を探したいときは、役所などに問い合わせると良いでしょう。
ガスと電気どっちが向いている?ガスと電気を使う際の条件をチェック!
では、安全性の高い電気と、安い都市ガスを比較してみるとどちらの方がお得なのでしょうか?
実は安全で熱効率の高いエコキュートやIHクッキングヒーターなどの電気製品は、設置費用が高額になる場合が多く、3人家族タイプの370Lのものは本体価格で60〜90万円程。もちろん本体価格ですから設置費用を加算すれば割引などもあり、70万円程が相場になることもあります。
しかし、電気製品は長いこと使わなければ元を取ることができない場合が多く、一人暮らしや、いずれは引っ越す予定のある方にはおすすめできません。
そこで電気製品が向いている家庭と向いていない家庭を考えてみます。
電気製品が向いている家庭
電気製品が向いている家庭の第一条件は、まず長くそこに住むこと。
電気製品は設置費用が高くついてしまうものの、長い期間使っていれば日々の光熱費はかなり安くなります。具体的な期間は10年以上。10年以上その家に住み続ける場合は、電気製品でもお得で安く使えると言えます。
ガスの方が向いている家庭
逆にガスがおすすめのご家庭は、転勤や引っ越しの可能性のある家庭です。その場合は高価な電気製品を購入してしまうと、その初期費用が無駄になってしまうことになりかねません。
状況によってはオール電化よりガスと電気の併用の方がおすすめ!
プロパンガスが高いという理由でオール電化を考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、いきなりオール電化にしてしまうと初期費用が高くつき、後々後悔してしまう原因になりかねません。
そこでおすすめなのが、ガスと電気を併用することです。いきなりオール電化にするのではなく、電気も使いながらガスと併用して、電気代やガス代を見てから考えることをおすすめします。
電気とガスを併用する方法
まず電気とガスを併用するには、それぞれの器具を揃えなければなりません。
一般的な例でいうと、これまでガスコンロを使って調理をしていたものを小型のIHクッキングヒーターに変えてみたり、ガスを利用したストーブを使っていた場合に電気ストーブに買い替えてみたり、いきなりオール電化にしてしまうよりも低コストで電気を使った生活を実感してみることができます。
電気は使う地域によって値段が変わる?意外と知らない電気利用事情
ガス料金は、プロパンガスか都市ガスかで料金が大きく異なります。これは場所による問題ですが、
電気も使う地域によって料金が変わってきます。
これは、地域によって電力会社が異なっているからです。
しかし、電力自由化が進んでいる今、同じ地域であっても電気料金を安くできます。
実際に電力会社を変えるだけで、一般的なご家庭でも月に3,000円〜4,000円ほどの電気代を抑えることも可能です。
今の電気料金を確認し、しっかりと比較し、判断してから電力会社の乗り換えをしていきましょう。
都市ガスでもっと節約したい場合は?
すでに安い都市ガスをお使いの方でも、もっとガス代を節約できるかもしれません。
それは、ガス会社を変更する方法です。
都市ガスの料金は千差万別ありますが、ご自身が今使っているガス会社がもっとも安いという保証はありません。今一度、自分が使っているガス会社が本当に安いのかを調べてみると良いでしょう。
まとめ!ガスと電気どっちがお得?
いかがでしたでしょうか?今回はガスと電気は同じ量を使うならどっちが安いのかについて解説してきました。
ガスも電気も家族構成や持ち家かどうかなどが大きく関わり、一概に答えが出せないものではあります。
しかし、あなたの家庭の条件をしっかりとクリアにすれば、光熱費を今よりもっと抑えることができるかもしれませんよ!
※電気給湯器、エコキュート、ガス給湯器のコスト比較はこちら→電気温水器の電気代は高い?ガスやエコキュートと徹底比較!給湯器の電気代を賢く節約をご参照ください

2017年にWEB系編集者に転職し、現在京都の郊外で気ままにノマドワーカー中。転職・移住の経験から家庭のお金の無駄を可視化し、研究することで月に10万円生活を叶えた自称「節約の鬼」ご覧いただいている全ての方に節約して浮いたお金で「より楽しいことをしてほしい」と言う思いで執筆中。旅行と温泉が趣味。
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