東京を中心とする大都市への人口集中が問題に。そんないま、リモートワークの普及もあいまって『移住生活』がブームになっています。
こんにちは!ヒトカツ編集部です!
これまでは、都会の喧騒から逃れるために自分が生まれ育った土地へ戻る「Uターン」や、その近辺の街へ移住する「Jターン」がほとんどでした。
しかし最近では、都会育ちの人が自分の憧れの場所に移住する「Iターン(アイターン)」に注目が集まっています。
その中でも人気なのが、世界でもトップクラスの美しい自然と海がある「沖縄県」です。
でも安易に『自分も憧れの沖縄で暮らしたい!』とか『海も綺麗だし南国気分で楽しそう!』
なんて思ってはいませんか?
結論からいうと、ぶっちゃけ沖縄移住はそこまで甘くありません。
そこで今回は、筆者である私が沖縄に移住してわかった、移住前に知っておくべき『7つの現実』をご紹介。
・移住してわかった沖縄気質
・ルーズな精神は、意外にも移住者には通用しない
・物価も給与も共に安い傾向にある沖縄
・「美しい海」の違った側面
・景色や街に飽きる
・食べ物に飽きる
・自然が合わない
の項目別に、沖縄の移住生活で知っておくべき現実を解説します。
これから沖縄への移住を考えている方に、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
Contents
「観光で見る沖縄」と「本当の沖縄」との違和感とは?
沖縄と聞けば誰もが思い浮かべるのが「大自然の青い空と青い海」ですよね!
沖縄に観光で訪れる方のほとんどが必ずリピートするというほど、沖縄の大自然は本土で暮らす人々の日常にない大きなインパクトを与えてくれる土地。
そこで、思い切って『沖縄に移住して生活してみたいなあ』
という方が増えているのです。
筆者である私も、仕事で沖縄の美しい海に潜り、その魅力に憑りつかれて数年間の移住生活を経験したうちの一人。
今回は、そこで気づいた沖縄生活の本当の難しさについて紹介します。
観光客からみた「住みたい沖縄」とは
沖縄へ「Iターン」移住する人のほぼ100%が観光で沖縄を何度も訪れたことのある人で、その時に肌で感じた沖縄の大自然や、沖縄の優しい人々との生活に憧れて移住を決意する人がほとんど。
実際に、沖縄の大自然も、沖縄に住む人々も、『観光客には優しい』のは事実。
なぜなら、観光で沖縄にやってくる来るお客さんは大きな台風が直撃する前に島から離れて帰るので、台風の恐怖や前後の大変さを知ることは無いから。
また、お金を払って沖縄まで来てくれるお客さんには、ホテルのスタッフやお土産屋さんも優しく接してくれるのです。
しかしそんな「お客さん」でも、沖縄で生活する「住民」になると話しは別。
次に、実際に沖縄に移住して感じた「7つの現実」を具体的に紹介していきましょう。
移住者の半数以上が3年以内に島を逃げ出す「7つの現実」とは?
憧れの沖縄へ移住を果たした人々の半数以上が、3年以内に島から逃げ出しています。
多くは話題になりませんが、実際にはこれが現実です。
では、なぜ多くの移住者が3年も持たずに島から離れてしまうのでしょうか?
ここでは「観光で訪れる沖縄」と「移住者として感じる沖縄」の違いを紹介していきましょう。
1.移住してわかった沖縄気質
沖縄に観光してまず思うのが、南国特有の「のんびりした雰囲気」
時間におおらかで、ちょっとの遅刻などは気にしないのが沖縄人、などといったイメージを植え付けるような表現をテレビなどでもよく目にします。
しかし、移住者が同じような行動をとっても沖縄の人は認めてはくれません。
沖縄の人から見れば「観光客はお客さん」でも、移住者は「よそ者」です。
沖縄の風土的に「ルーズ」が認められると思って甘い考えで移住すると、周囲から「村八分」にされて島にいれなくなるというケースが一番多いのです。
2.ルーズな精神は、意外にも移住者には通用しない
先にも書きましたが、島の人々は「自分(島人)に優しく他人(よそ者)に厳しい」のが現実。これは県民同士で結束して生きてきたという歴史があるためでしょうが、本土からの新参者には甘くはありません。
仕事にしても、地元の人がルーズだからといって、移住者が「同じように」していると容赦なく切られます。沖縄の人はテキトーだから大丈夫(なんくるナイサー)は、移住者には通用しないと心得ておきましょう。
3.物価も給与も共に安い傾向にある沖縄
沖縄の物価は下記のように日本一安い水準。
平成19年度 都道府県別総合指数(全国平均を100とする)
1位 東京都 108.5
47位 沖縄県 91.9
だからといって、決して「住みやすい場所」ではありません。
沖縄は物価も安いが給与も最低レベルで、しかも失業率もトップクラスに高い県なのです。
実際に、2019年の平均所得を比較すると東京都の平均年収438万円に対して沖縄は337万円とその差は物価以上の開きがあります。
もしもあなたが移住をする際に、沖縄に行ってから仕事を探して生活しようと思っているなら、今のあなたのスキルでどのような仕事があるか?いくらくらい稼げるか?をシミュレーションしてから発つようにしましょう。
参考:統計局全国物価地域指数
沖縄のリアルな生活費はこちら→沖縄の一人暮らし生活費はいくら?移住者のリアルな生活を公開!
4.「美しい海」の違った側面
沖縄最大の魅力といってもいい「美しい海」は、沖縄県内に住めばたいていの場所から眺めることができます。ひょっとすると、部屋の窓からオーシャンビューが望めるかもしれません。
しかし、この「海が近い」という現実は、生活には不向きな点がたくさんあります。
洗濯物が乾いても「潮風」のせいでベタベタするし、外だけではなく室内や自家用車などにも容赦なく降りかかり、鉄の部分はあっという間に錆がきます。
実際に沖縄の車をよく見ると錆びだらけの車が多いのはそのためです。
たまに観光で見ると「沖縄らしいレトロな雰囲気」に見える景色も、いざ住んで見るとただ錆び付いているだけの街並みだと気づきます。
5.景色や街に飽きる
観光で見る素晴らしい景色や沖縄特有の雰囲気のある商店街や街並みも、住みついてしまうと「飽き」がきます。
特に都会で暮らしていた方が沖縄に来て真っ先に飽きるのが買い物。
いまでこそ那覇市内には大きなショッピングモールもできて華やかな場所もありますが、やはり観光客をターゲットにしているので、本土にある大型スーパーやショッピングモールのような買い物にはいたりません。
また、いろいろなお店から選ぶほどのモールもないので、いつも同じお店でしか買い物ができないというのがストレスになるという移住者もいます。
6.食べ物に飽きる
沖縄の食べ物は、観光で食べれば物珍しくて美味しく感じるかもしれません。
しかし、毎日の食事となると観光の郷土料理を毎日食べるようなもので、必ず本土で食べていたものが食べたくなるのが本能。
しかし、食文化がもともと違う沖縄では本土と同じものが手に入らないことも良くあります。
偏食や苦手なものが多い方には、案外住みにくさを感じるかもしれません。
7.自然が合わない
沖縄の大自然に憧れて移住するのに「自然が合わないはずがない」と思っている方も多いでしょう。
しかし現実に住み続けてみると、高温多湿な気候に馴染めない、大型台風が直撃した時の怖さ、1年中温暖な気候の沖縄ゆえの虫の多さに辟易する方がたくさんおられるのが現実。本土に比べると高温多湿ゆえに虫が多く、サイズも格段に大きくて、虫嫌いの人はあっという間に本土に帰ってしまうほど。
そんな現実も、観光では無く、実際に住んでみないと分からないことなのです。
現実の沖縄生活を更に詳しく知りたい方にぜひ読んでいただきたい本がこちら!
南国のリゾート地で豊かな生活がしたいという方に!豊かな暮らしに必要な仕事や家族の同意、教育環境など、解決しなければならない課題はいっぱいあります。コネもなく高年齢でも就職できる方法や、学校や保育園の選び方などの暮らしに必要な情報を徹底解説しています。
沖縄移住生活で失敗しない心得のまとめ
沖縄移住を成功させるには、欲やこだわりを捨てることが必要です。
私の経験からも、自己顕示欲が強い人は沖縄移住生活ではまず失敗します。
沖縄での生活にどれだけ憧れて移住をしても、必ず飽きるタイミングは訪れる。
その時に「想像していた沖縄と違う!」という発想では、移住生活は失敗です。
沖縄移住に向いているのは「欲を捨てられる人」「こだわりを捨てられる人」
逆に言えば、金欲や物欲などを捨てたくないのなら沖縄移住はしない方が良いでしょう。
一度沖縄に移住してからやっぱり東京の方が良いと思っても、よほどのスキルが無ければ社会復帰すら難しいのも現実。
沖縄で生活することは、沖縄の風土や自然、人々の特徴を受け入れることが必要。
もしもそれができなければ、あなた自身も沖縄に受け入れられることはありません。
あなたの沖縄への移住を成功させるための秘訣は、沖縄の地で自分の「したいことをする」という「主張」をするのではなく、沖縄の自然に「身を任せて生きる」という「たくましい心身」が必要です。
沖縄へ移住を決意したなら、まずはこれまでの記事を振り返って自分の移住の目的やゴールを良く考えてスタートしてみて下さいね!
【関連記事】【国内編】移住するならどこ?あなたにピッタリの移住先を紹介もぜひご覧ください

2017年にWEB系編集者に転職し、現在京都の郊外で気ままにノマドワーカー中。転職・移住の経験から家庭のお金の無駄を可視化し、研究することで月に10万円生活を叶えた自称「節約の鬼」ご覧いただいている全ての方に節約して浮いたお金で「より楽しいことをしてほしい」と言う思いで執筆中。旅行と温泉が趣味。
コメント